2. 日本で極地研究が始まったのはいつ?

日本の極地研究が本格化したのは、1957-1958年の国際地球観測年(IGY)に実施した南極観測からです。オーストラリア、チリ、ノルウエー、イギリス、アメリカ等は南極観測のために、南極大陸とその周辺に55の観測所を設置し、国際共同観測を実施しました。日本の第1次南極観測隊は、1957年1月29日に昭和基地(南緯69度00分、東経39度35分)を開設。気象、オーロラ、地磁気、地震等の地球物理学の分野を中心に共同観測を行いました。各国の科学者は、IGYにおける科学観測の成果は国際共同観測の結果であることを強く感じて、1961年に発効した「南極条約」により、IGY以後も国際協力が引き継がれました。

それでは、IGYにおける北極観測はどうでしょう?ノルウエー北方のスヴァールバル諸島に外国が共同で観測隊を送り、北極海の海氷調査等を行いました。日本は、この北極観測には参加しませんでしたが、研究者グループが個別にグリーンランド、北極海、アラスカで科学調査を始めました。日本の北極観測が本格化したのは、1990年代に入ってからになります。

スヴァールバル・ニーオルスンにあるノルウエー極地研究所。