33. オーロラレーダで何を測るの?

オーロラを電波で測るには、レーダを用いる方法があります。オーロラに向かって電波を発射すると、電子の密度が高いところや低いところの不規則な分布の領域からエコーが返ってきます。数m程度のスケールの不規則性の測定には超高周波数帯(VHF)の電波が使われます。電波発射点から300km程度離れたオーロラエコーを観測できます。

数十m程度の不規則性の測定には、短波帯の高周波数帯(HF)レーダが使われ、最長5000kmまでのオーロラエコーを観測できます。このHFレーダは、極方向に向かって水平方向に作られた16個の扇状ビームを順次切り替えて、広い範囲のオーロラエコーを測定します。北極、南極にある15台のHFレーダを同時に稼働することで、太陽風の変動によって起こる両極地域の電離圏プラズマの対流を測定します。

オーロラ内の電子やイオンの密度等の測定には、極超高周波数帯(UHF)や、マイクロ波帯で、強い電波を発射させてオーロラ内の分子からの散乱電波を測定するレーダが使われます。北欧やスヴァールバルでは、欧州と日本の共同で建設された大型のパラボラアンテナを用いたEISCAT(アイスキャット)レーダが活躍しています。