地球の大気とその歴史

1.大気の「大」にはどんな意味があるの?

大気と空気、2つの言葉がありますね。これらはいったいどう違うのでしょう?

「大」という字には、「大きい」という意味の他に、「広い」とか「あまねし」といった意味があります。言語学的にきちんと語源を調べたわけではありませんが、地球全体をあまねく覆いつくしている空気といった意味で、「大気」というのではないでしょうか。

英語で大気は“atmosphere”です。これは、ギリシャ語で空気を意味する“atmos”と球体を意味する“sphere”が組み合わされた言葉で、空気が球状の地球や天体を取り巻いたものが大気だということを表しています。

つまり、日本語では、大気圏と大気は同じものを表現しているといえるでしょう。ただ、英語の“atmosphere”には、「雰囲気」「ムード」といった意味もあります。この点は日本語と少し違いますね。「その場の空気がなごんだ」とは言いますが、「その場の大気がなごんだ」とは言いません。やはり大気という言葉には、大きく広がっているという意味が含まれているようです。