17.温室効果ガスはどうやって調べる?

地球大気の温室効果ガスは、最も多い二酸化炭素でも、大気中にわずか 0.03% くらいしかありません。こんな少量の温室効果ガスの量を正確に調べるのによく使われるのは、空気に赤外線をあてたときの赤外線の吸収量です。これは、「温室効果ガスが赤外線をたくさん吸収する」という性質を利用しているのです。遠くから観測するのではなく、「その場」で大気を測るときには、二酸化炭素の濃度が良くわかった空気(標準ガスといいます)と大気とを交互に測定することで、正確な濃度が得られます。

地上から遠く離れたところの大気を測るときには、太陽光に含まれる赤外線の吸収量から濃度を求めます。赤外線の吸収量を使う手法以外では、ガス・クロマトグラフを使った測定方法などがあります。

二酸化炭素などで吸収された赤外線のスペクトルを計測する、フー リエ変換型赤外分光器(名古屋大学宇宙地球環境研究所陸別観測所)。