14.赤外線はどこから出てくるの?

実は、すべての物体は、物体の温度で強さと波長が決まる「熱放射」と呼ばれる電磁波を出しています。温度が高いものは波長の短いところに、温度が低いものは波長の長いところで放射を最も多く出す性質を持っています。絶対温度で 5600 ケルビン(K) の太陽は、ちょうど可視光のあたりで放射を最も多く出しています。また、地球の表面のような、温度が絶対温度で 300 ケルビンぐらいの物体は、10 ミクロン程度の赤外線で光っています。実は、私たちの体からも赤外線が出ています。

暗闇で物を見るのに赤外線カメラが使われるのも、物体から赤外線が放射されているからです。SARS 対策で使われた体温計(サーモグラフ)も、人体が発する赤外線を利用して体温を測っています。