24.雲は温暖化にどう影響する?

皆さんもご存知のように、雲は大気中の水蒸気が水滴や氷粒になったものです。雲は、温暖化ではとても複雑な働きをします。まず、雲のもとになる水蒸気は赤外線を吸収するため、温室効果気体として働きます。これが水滴になって大気の下層で雲になると、太陽からの光を反射し、温度を下げる作用をします。

一方、絹雲など上層の雲は、太陽の光をあまり反射せず、逆に赤外線を吸収して大気を暖める方に働きます。水蒸気が増えると、温室効果がより進むようになりますが、それは同時に雲も増やして地表にとどく太陽の光を減らし、温暖化を抑制することになります。すぐ前にお話したエアロゾルと同じように、雲は温暖化に影響を与えますが、温暖化に対してプラスの影響が出るかマイナスの影響が出るかをきちんと予測するのは難しいことです。