22.他の惑星でも温暖化はある?

大気の主成分が二酸化炭素の火星や金星には、温室効果があります。木星や土星では、太陽から吸収する熱量が少なく、惑星自身から放出する熱の方が大きいため、地球型惑星とは事情がかなり違っています。

特に金星では、過去に暴走温室効果というのが起きていたと考えられています。金星の大気が形成されたとき、金星内部からは二酸化炭素とともに水蒸気も出てきました。水蒸気は温室効果により気温を上げます。温度が上がると水の蒸発量はさらに増え、温暖化を一層進め、水の蒸発をさらに促進します。地球では、大気中の湿度が上がって雨が降り出すことにより、この水蒸気の蒸発が止まりました。ところが金星の場合は、太陽に近く、温度が高いため、水蒸気は液体の雨や雲になることができません。そのため、水分上昇による温室効果は、地表の水分がすべて蒸発するまで歯止めなく進みました。歯止めがない温室効果という意味で、暴走温室効果と呼んでいるというわけです。