12.気温はどうすると上がるの?

朝、太陽が昇ってくると気温が上がり始めるのは、誰でも知っていますね。太陽が昇ってくると、どうして気温が上がるのでしょうか?

大気の温度は分子の運動と関係していますので、温度を上げるには、外部からエネルギーを供給する必要があります。エネルギーの供給の仕方には、大きく分けて 2 通りあります。ひとつは、温度が高い(速い)空気分子が、すぐ近くの温度の低い(遅い) 空気分子にぶつかってエネルギーを与え、温度が上昇するものです。こうした衝突が次々と起こり、温度が高いところから低いところに熱が伝わっていきます。これを「伝導」といいます。

もうひとつは、光(少し広い範囲で、赤外線や紫外線なども含めて電磁波と呼ばれます)のエネルギーをもらって、分子の運動エネルギーに変えるというものです。このような熱の伝わり方を「放射」といいます。

太陽と地球の間には空気がありませんから、太陽からの熱は、伝導ではなく、放射で伝わります。温度が上がるためには、放射のエネルギーを吸収する必要があります。空気は光を吸収しませんが、紫外線や赤外線を吸収します。太陽からの光はまず地面を暖め、暖まった地面から赤外線が出てきます。この赤外線が空気を暖めます。また、大気中のオゾン層(「オゾン 50 のなぜ」をみてください)では、太陽からの紫外線を直接吸収して空気が暖められています。