16.酸素や窒素はどうして温暖化に影響しないの?

地球大気の約 8 割は窒素分子(N2)で、残りの 2 割のほとんどは酸素分子(O2)です。しかし、これらの分子は温暖化には関係ありません。なぜでしょうか?

太陽からの可視光や地球から宇宙に逃げていく赤外線などの電磁波は、電気的な振動が空間を伝わることで進んで行きます。宇宙空間などの真空の場所では、電気的な振動が次々と連鎖して起こるため、電磁波は何も影響を受けず、どんどん先に進んで行きます。一方、物質のあるところでは、物質の影響で振動の連鎖が起こりにくくなることがあります。大気の場合には、大気中の一部の分子がこのような震動が先に伝わって行くのを邪魔するというわけです。

分子は原子からできています。そして原子は、原子核と呼ばれるプラスの電気を持った粒と、原子核を中心にして広がって分布している、電子と呼ばれるマイナスの電気を持った粒から構成されています。N2も O2も、同じ原子からできているため、この電子の分布のバランスが取れています。

ところが、分子が異なる原子からできていると、原子によって電子を引き寄せる傾向が異なります。すると、分子の中の電子が均等に分布せず、プラスに偏った場所とマイナスに偏った場所ができます。この「分布の偏り」が、バネのように、振動したり回転したりすると、電気的な振動が生じ、電磁波を放出します。また逆に電磁波がやってきて、電磁波のエネルギーが分子の中の電子の偏りを揺するエネルギーに変えられると、電磁波はその分子に吸収されます。温室効果気体は、このような電子の分布に偏りがある分子なのです。ちょっと難しすぎたかな。