7.昔の気温はどうやって調べる?―その1

温度計がなかった昔の気温は、どうやって調べるのでしょうか? 千年から 2 千年程度の範囲では、木の年輪の幅から温度を推定する方法が用いられることがあります。年輪のデータは地球上のいろいろな場所でとれるのですが、年輪の幅は気温だけでなく、降水量や二酸化炭素の濃度にも影響を受けるので、注意が必要です。

他には、古文書の記述を調べるという手があります。たとえば、どのような農作物が取れたとか、どこにいつごろ氷がはったとか、人々の服装はどうだったとかいうものです。ただし、古文書の場合には、何度ぐらい温度が高かったかという数値の推定は難しく、ごく大雑把に、暖かかったか寒かったかという目安を与えるにすぎません。

もっと昔の、数万年より前の気候を調べるには、南極の氷(9 を参照)や動植物の化石などが用いられます。また、陸地や海洋の地層の中にある堆積物(昔の微小生物の死骸が堆積したもの) などの酸素同位体比(8 を参照)からも、数十億年前の温度を推定するデータがとられています。