34.森林破壊が温暖化を進めている?

植物は、太陽エネルギーを使って水(H2O)と二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素(O2)を作ります。地球上の森林は光合成を通して、大気中の二酸化炭素濃度の変動にも深く関わっています。

もし人が介在しなければ、自然に朽ちていく木や森林火災により発生する二酸化炭素は、その後に生まれてくる若い木々に吸収され、全体としては差し引きゼロになるはずです。しかし、森林が大規模に破壊されると、膨大な二酸化炭素が吸収されずに空気中にとどまり、温暖化を進めます。

世界の森林面積の半分近くを占める熱帯の森林では、大規模な伐採による破壊が進んでいます。その一方で、過去に伐採されてきた温帯の森林が植林などにより再生して、二酸化炭素の吸収を増やしています。そのため、地球全体としては、現在は二酸化炭素を吸収している方に働いています。しかし、今後の保証はありません。二酸化炭素の増加を抑えるため、森林を再生する努力を続けていかなければならないのです。

世界の森林面積の変化(1990 年から 2000 年の年平均)。