29.エルニーニョって何?

新聞などでも、エルニーニョによる異常気象が最近よく取り上げられます。エルニーニョとは、ペルー沖の赤道付近の海水温が数年に一度異常に暖かくなる現象で、海洋と大気が深く関連しています。

太平洋の赤道付近では、貿易風と呼ばれる東風が吹いていて、この東風のために西向きの海流が生じ、暖かい水は西側に運ばれます。一方、太平洋の東側では、下層の冷たい水が湧き上がってきます。このため、太平洋の赤道上では、西側で海面水温が高く、東側の海面水温が低いのが普通の状態です。海面水温が高ければ、大気が暖められて低気圧が発生し、雲が形成されるため、インドネシアなどでは雨がよく降り、反対にペルーでは雨が少なくなります。

エルニーニョでペルー沖の水温が相対的に上がると、インドネシアで低気圧が発生しにくくなり、干ばつなどの異常気象が起きるようになります。

エルニーニョは、スペイン語で「神の子( 男の子)」という意味です。