10. 宇宙でも金鉱探し?

はやぶさ2は、小惑星リュウグウの土のサンプルを地球に持ち帰ることを主な目的とした日本の探査機で、2018年に小惑星リュウグウに到着し、岩石のサンプルを採取しました。2020年に地球にサンプルを持ち帰って分析を行っています。リュウグウは、太陽系のごく初期の段階で生まれ、ほぼそのままの状態でいると考えられており、持ち帰ったサンプルを詳細に分析すれば、太陽系誕生の謎に迫ることができると考えられています。科学的成果に期待しましょう!

ところで、これまでに数十万個の小惑星が発見されています。その中には、地上からの観測による分析から、貴金属やレアメタルなどの資源がたくさんあると考えられているものもあります。そうすると、はやぶさ2の様な探査機をこうした小惑星に送り込み、地球上にはあまりない物質を大量に持ち帰れば、資源の乏しい日本などにとっては産業にも役立ちますし、早い話がお金儲けできるのではないかとも考えられます。この話は、必ずしも冗談ではなく、一部の関係者の間では真剣に議論されています。

しかし、こうしたことをするための最大の課題は採算性です。仮に、1グラム6,000円くらいの純金を1トン持ち帰ったとしても、60億円にしかなりません。はやぶさ2の様な探査機を打ち上げるには、数百億円かかります。そして、はやぶさ2の持ち帰った岩石は、約5 gほどです。これでは、お金儲けには程遠い状態です。しかし、将来安価な宇宙ドローンの様なものが実現すれば、小惑星で鉱山探しが活発化し、ゴールドラッシュが起きるかもしれません。あるいは、「小惑星〇〇産の金」を使った指輪やネックレスはプレミアムがついて高値で取引される様になるかも?と言っても、まだだいぶ先の話になりそうですね。お金儲けよりも先に、まずは太陽系誕生の物語に期待しましょう。