15. 太陽系第9惑星?

太陽系には8個の惑星があることが知られています。しかし、惑星はこれで「打ち止め」でしょうか?

第9惑星の可能性は、天文学では古くから話題に上っています。19世紀には、水星の軌道運動にニュートン力学では説明のつかない変化があるため、水星の軌道の内側に新惑星があると考えられ、バルカン(鍛冶の神)と名付けられました。皆既日食の際に盛んに探索が行われましたが、結局発見されず、20世紀に入ってこの不思議な運動は相対論的効果で説明できることが明らかとなり、騒ぎは終了しました。

太陽系第9惑星というと、あの数奇な運命をたどった冥王星を思いだす人も多いでしょう。冥王星も海王星と同様予言されていましたが、位置を正確に知ることが難しく、長年の探索の末、1930年に発見され、その後長らく第9惑星とされてきました。しかし、1990年代になると、冥王星の軌道の近くに多数の太陽系外縁天体(エッジワース・カイパーベルト天体)と呼ばれる小天体が発見される様になりました。さらに、冥王星より大きいかもしれない天体が発見される様になり、冥王星を特別扱いする理由がなくなったため、国際天文連合は新たに惑星を定義しなおして、冥王星は惑星の定義から外れました。

しかし、その後も海王星の外側に太陽系外縁天体が多数発見され、その分布が詳細に調べられる様になりました。その結果、これらの分布が異様に偏っていて、未知の天体の引力でかき乱された可能性が指摘されました。詳細なシミュレーションの結果、地球の10倍程度で質量のつぶれた楕円軌道の惑星が、はるか外側をまわっていればこの分布が説明できるとされ、すばる望遠鏡など多くの望遠鏡を使った大規模な探索が行われました。しかし、まだ見つかっていません。

第9惑星は、本当にあるのでしょうか?