13. 太陽系遺産ツアー?

地球上では、ユニークな自然の景観や、歴史的な建造物などが世界遺産に登録され、多くの人が訪れています。今後、人類が宇宙に進出していくと、他の天体の「太陽系遺産ツアー」は、いつ頃可能になるでしょうか?火星には、太陽系最高のオリンポス山の他にも、太陽系最大のマリネリウス峡谷、氷やドライアイスでできた極冠などがあり、太陽系遺産オンパレードです。他の惑星となると、着陸は難しくなりますが、上空から眺める金星の雲、木星の縞模様と大赤班、雄大かつ神秘的な土星の環など、近くで見たらさぞ壮観でしょう。 衛星のツアーもあれば、木星の衛星イオの火山、土星の衛星タイタンのメタンでできた海や川、氷で覆われた木星の衛星エウロパや土星のエンケラドスなども面白いでしょう。

NASAは2020年代に再び月に人を送り込み、2030年代には火星に人を送り込もうとしています。すでに、半世紀前にアポロ宇宙船が月に行っているので、月ぐらいならできなくもなさそうですが、火星となると相当困難と言わざるをえません。すでに何度も火星に無人の探査機を送り込んでいるので、技術的にはできそうな気がします。しかし、往復に2、3年かかるでしょうから、その間どうやって生きるかだけでも大問題です。これまで、国際宇宙ステーションに半年以上宇宙飛行士が滞在したことはありますが、それよりさらに長期間宇宙で生活しなければいけません。

こうした長期の宇宙滞在は、宇宙飛行士の健康をむしばみ、帰還後自力で立つこともできなくなることが知られています。2年間も、無重力や火星の弱い重力に慣れた体には、地球の重力は非常に過酷なものでしょう。宇宙に居ても、毎日筋トレが欠かせませんね。

この様に、幾多の困難は予想されますが、今世紀中に一部のツアーはできる様になるのではないでしょうか?