24. 重力レンズで惑星を見る?

重力レンズというのは、星の様な質量を持った天体がレンズの様な働きをすることです。重力レンズによってゆがんだ画像が見えたり、暗い星が明るく見えたりします。この重力レンズを利用したユニークな方法でも、太陽系外惑星が発見されています。

現在使われている重力レンズを使って惑星を発見する方法は、惑星自身のレンズ効果を利用します。遠方の星を観測していると、稀に手前を別の星が通過することがあります。このとき、手前の星のレンズ効果で遠方の星がいつもより明るく見えます。もし、手前の星に惑星が無ければ、ピークの前後で対称なきれいな山型の明るさの変化が観測されます。一方、惑星があった場合は、惑星によるレンズ効果が加わり、この形が崩れます。これによって惑星の存在がわかるというもので、マイクロレンズ法と呼ばれています。この方法の特長は、他の手法に比べて小型の望遠鏡、比較的安価な機材で観測可能だということです。アマチュアもこの観測に貢献しています。2004年に日本・ニュージーランドのグループによってはじめて成功して以来、約100個の惑星がこの方法で発見されています。

もう一つ、重力レンズを使った方法として、太陽の重力レンズ効果を拡大鏡として使って、遠方の惑星の表面の様子を観測する方法も提案されています。この場合、太陽自身がじゃまになるので、太陽から550天文単位(約800億km)以上離れたところから観測する必要があります。太陽の重力レンズ効果で、ドーナッツ型に大きく歪んだ惑星の像が見えるはずです。これが成功すれば、100光年先の惑星の大陸の形くらいはわかりそうです。しかし、太陽から遠く離れたところに大きな望遠鏡を積んだ探査機を飛ばす必要があり、実現には100年以上かかりそうです。