28. 小さな赤い太陽?

現在天文学者が注目しているのは、赤色矮星(M型矮星とも呼ばれる)をまわる惑星です。赤色矮星は、太陽より軽く表面温度は太陽より低く、赤い色をしています。星の半径も小さく、放射が比較的弱く暗いので明るい星ほど良く見えませんが、宇宙では最もありふれた星とされています。なぜ、こんな星が注目を浴びているのでしょうか?実は、「第2第3の地球」が発見できるかもしれないからです。

観測技術の進歩した今日でも、地球程度の小さな惑星を発見するのは至難の業です。視線速度法では、軽い惑星は主星を振りまわして視線速度の変化を引き起こす力が弱く、検出が難しくなります。また、主星から遠い惑星は、主星に及ぼす引力が弱くなるので、大きな視線速度を生じません。トランジット法では、小さな惑星は主星を覆い隠す面積が小さく、わずかな減光しか生じません。また、主星の前面を通過する確率も低くなるので、見つかる可能性も低くなります。しかも、これらの手法で発見される惑星の多くは、主星に近接した「灼熱の惑星」で、生物は住めそうにありません。

これに対して赤色矮星は、主星が軽いので軽い惑星でも比較的大きな視線速度が期待でき、主星自身が小さいのでトランジットの際の減光も大きくなります。また、主星の放射が弱いため、内側の軌道の惑星でも表面温度はそれほど高くならず、生物が住める惑星が見つかる可能性が高いというわけです。

現在、赤色矮星をまわる惑星の探索が精力的に行われていて、地球に近い環境と思われる惑星も見つかっています。