4. 惑星は酔っ払い運転?

惑星は「惑う星」という意味です。確かに、星座の星を背景に東に行ったり、西に行ったりしている様に見えます。昔は、遊星という呼び方もありました。では、惑星は酔っ払いの様にふらふらと動いているのでしょうか?実は、太陽系の惑星は、とても規則正しく太陽の周りをまわっています。あっちに行ったりこっちに行ったりしている様に見えるのは、あくまで地球から見てのことです。では、どんなふうに動いているのでしょうか?

惑星の軌道は円に近い楕円で、太陽に近いところでは速く、遠いところではゆっくりとまわっています。地球の場合、2月には太陽に近く、8月には太陽から遠くなります。しかし、その違いはわずかです。そして、各惑星の軌道はほぼ同じ平面内に収まっています。また、惑星のまわる向きはすべて同じで、逆行する惑星はありません。内側の惑星は速く、外側の惑星はゆっくりとまわっています。このため、時々内側の惑星が外側の惑星を追い越します。地球から見ていると、時々惑星が逆行している様に見えるのは、このためです。

また、惑星の軌道は適当な間隔で並んでいます。惑星の軌道の間隔は、内側ほど狭く外側では開いていますが、大まかに言って、同じくらいの比率になっています。そして、一番内側の水星の軌道は太陽地球間の距離(1天文単位と言います)の0.39倍、一番外側の海王星は、だいたい30倍です。そして、互いの軌道が交差し、異常に接近することはありません。異常接近が起きると惑星同士が互いに軌道を乱しあってしまい、大きく軌道が変化します。このため、惑星の一方が太陽に落下するかもしれませんし、太陽系を放り出されて宇宙のかなたに行ってしまう可能性もあります。しかし、これまでの計算によれば、太陽の寿命が実質的に尽きてしまうまでの間、そうしたことは起きないということがわかっています。