39. 水はどこからやってきた?

水は生命にとって不可欠とされています。地球上に住む我々にとっては、ありふれたものですが、水が多すぎて陸地が水没するわけでもなく、表面の70%を覆うくらいというちょうど良い量の水がどこからやって来たのでしょうか?

太陽系が誕生した際、原始惑星系円盤の中の水は、太陽に近いところでは水蒸気、遠いところでは氷となっていたと考えられています。その境目を雪線または氷境界と呼びます。だいたい、火星と木星の間、地球の軌道の約2.7倍だったと考えられています。そうすると、地球の付近では水は水蒸気の状態だったことになります。しかし、この水蒸気が岩石に吸収されて地球に取り込まれることは極めて考えにくく、地球が生まれたときには、カラカラの乾燥した状態だったと考えられています。そうすると、水は地球ができた後どこか他からやって来たことになります。

地球ができた後に、水が入って来た可能性としては、彗星や小惑星などの小天体の衝突が考えられます。太陽系ができて間もない頃は、今より多くのこうした天体があって、地球にも多数衝突したことが考えられます。これまで、地球上の水の起源を調べるため水の同位体比を使って調べようという研究が行われています。水は、水素と酸素の化合物ですが、水素の代わりに重水素の付いた水も存在します。彗星や小惑星などの水に、重水がどのくらい含まれているかを測定して、地球の水と比較しようというわけです。これまで、様々な可能性が検討されていますが、まだ結論は出ていない様です。

この様に、地球上の水についても謎が多いですが、宇宙には火星や水星の様なほとんど水の無い陸惑星も、表面が完全に水没し陸地の全くない海惑星もあると考えられています。