近年の惑星科学と、その関連分野の進展は、目覚ましいものがあります。太陽系の惑星をはじめ、衛星、小惑星や彗星などの小天体には様々な探査機が送り込まれ、詳細なデータが取得され、それらの姿が明らかになって来ました。一方、海王星の外側では、太陽系外縁天体が次々と発見され、太陽系の中の新たな世界が明らかになりつつあります。太陽系の外に目を移すと、太陽以外の星を回る太陽系外惑星が多数発見され、はるか遠方の惑星系の姿が見えて来ました。さらに、アルマ望遠鏡などによる原始惑星系円盤の観測は、惑星誕生の現場がどの様なものかを明らかにしつつあります。こうした進展に伴い、従来限られた情報から推測していた惑星形成や地球外生命に関する研究も大きく進展しました。

本書では、こうした新たにわかって来た惑星たちの姿や、今後期待される進展を中心に、惑星科学が切り開きつつある世界を紹介することにいたしました。中高生から一般の方まで、多くの方に惑星に興味を持っていただければ、と思っております。