43. 火星や氷衛星?

太陽系外を考える前に、もう少し身近な太陽系内の天体に、地球外生命が発見される可能性はあるでしょうか?

探査機による調査が行われるはるか以前から、火星は地球に似た環境にあると考えられ、SFだけでなく、科学者の興味の対象となってきました。ところが、実際に火星に探査機が行くようになって、論争の種となっていた「火星の運河」の様なものは、その存在を否定されました。

しかし、1970年に火星に着陸したバイキング探査機が、火星の土を採取して調べた結果、NASAは生物の存在を証明する結果が得られたと発表し、一大センセーションを巻き起こしました。しかし、この結果は間もなく否定され、騒ぎは収まりました。

その後、1996年には、火星隕石に生命の痕跡が発見されたという発表がありました。火星隕石というのは、火星に小天体が衝突して、火星の岩石を宇宙に放り出し、その岩石が太陽の周りをまわって、最終的に地球に落下したものです。そうした火星隕石のなかに、原始的な生物の痕の様なものが発見された、というものです。しかし、この痕跡の様なものは、別の解釈も可能であるとの指摘があり、まだ論争が続いています。

木星の衛星エウロパや、土星の衛星エンケラドスは、表面が厚い氷で覆われていますが、その下には海(液体の水)があることがわかっています。また、エンケラドスでは、氷の下の熱水によると思われる水蒸気が氷の割れ目から立ちのぼるのが観測されています。こうしたことから、これらの氷衛星の氷の下の海に何か生物が居るのでは、と期待されています。現時点では、何とも言えませんが、将来の探査機による調査で明らかになるでしょう。