23. 隠れても無駄だ!そこに居ることぐらいわかる

例えば物陰に隠れていても、夕日で影が長く伸びていれば、そこに居ることがバレてしまいます。それと同じように、見えない太陽系外惑星もその存在を間接的に突き止めることができます。そうした方法がいろいろ考案されました。

1992年、パルサーと呼ばれる規則的な電波を発する特殊な星の周りをまわる太陽系外惑星が発見されました。惑星の公転に伴い、主星も重心の周りをまわるので、電波のタイミングがずれます。パルサーは、この電波のタイミングのずれを利用して発見されたものです。しかし、パルサーは、すでに死んだ星と考えられ、その周りをまわる惑星も、太陽系の様な普通の惑星とは考えにくいので、あまり注目されませんでした。

1995年には、視線速度法と呼ばれるスペクトルを利用した方法で、太陽の様な普通の星をまわる太陽系外惑星が発見されました。主星自身も、惑星の公転につれて重心の周りをまわりますが、この運動によって観測者に近づいたり遠ざかったりします。この速度の変化によって、主星からの光が近づく際には青い(波長の短い)方に、遠ざかる際には赤い(波長の長い)方にずれます。この方法で最初に発見された惑星の場合、だいたい新幹線のぞみの速度くらいの視線速度の変化がありました。2019年には、この方法で最初に太陽系外惑星を発見した、マイヨールとケローに、ノーベル物理学賞が与えられました。

その後さらに、日食の様に惑星が主星の一部を隠す現象を利用した方法が成功しました。惑星の軌道面が地球の方を向いていた場合、惑星が周期的に主星の手前を通過します。この際、主星の光が遮られ、少し暗く見えます。この方法は、トランジット法と呼ばれています。