16. 太陽系の果て?

太陽系は、どこまで広がっているのでしょうか?どこかに、外界との境目があるのでしょうか?惑星で一番外側をまわっている海王星は、太陽地球間の距離(1天文単位、約1億5千万km)の約30倍のところをまわっています。しかし、その外側にも冥王星や太陽系外縁天体がまわっています。一番遠いものは、100天文単位より少し遠くにあります。

また、太陽から吹き出したプラズマの流れ(太陽風)は、これらの間を通り抜け、外側まで届いています。プラズマというのは、気体が電離して電子とイオンに分かれた状態です。太陽は、秒速220kmほどの速度で銀河系の中心の周りをまわっているので、噴出した太陽風は最終的に星と星の間にあるガス(星間ガス)と激しく衝突し、衝撃波を形成して行き止まりとなります。これが、だいたい100天文単位で、この内側を太陽圏と呼びます。通常は、この付近が太陽系の外縁とされています。

しかし、実際にはその外側にもまだ何かがあることがわかっています。彗星の多くは太陽圏の外側からやって来ます。こうした彗星は、太陽系の外側に球状の雲の様に分布していて、そこからやって来たと考えられています。この雲の様な「彗星の巣」はオールトの雲と呼ばれています。これがどこまで広がっているかなどは、良くわかっていませんが、だいたい2万天文単位より遠くにある小天体は、近くを通過する恒星の引力ではぎとられるはずで、それより遠方にはもう太陽系のものは無いと思われています。

では、彗星の正体は何でしょうか?太陽系誕生の頃、岩石や氷でできた塵同士がくっついて、微惑星と呼ばれる数kmくらいの天体が形成されたと考えられています。これらのうち、あるものは互いにくっついて惑星の種となり、残りは弾き飛ばされてオールトの雲を形成したと考えられています。彗星には、オールトの雲からの彗星が、木星などの巨大惑星に捕獲され、低い軌道をまわっている短周期彗星があります。