30. 太陽系外惑星のオーロラ活動?

地球には地磁気がありますが、金星と火星を除いた他の太陽系の惑星も固有の磁場を持っています。太陽からは太陽風(プラズマの風)が吹き付けていますが、惑星のそばでは磁場のエネルギー密度が太陽風の圧力を上まわり、太陽風の侵入を防ぎ大気の流出を妨げています。こうした惑星の周りの磁場が卓越した空間のことを磁気圏と呼びます。一方、活発な太陽活動によって変動する太陽風と惑星磁場は、激しく相互作用して、極地にオーロラを生成するとともに、電波を放出しています。特に、太陽系最大の惑星である木星は、地球と比べてはるかに強力な磁場を持っており、オーロラ活動とともに強い電波を放出していることでも知られています。では、太陽系外惑星でも同様のことは起きているでしょうか?

太陽系外惑星の場合、今のところ磁場を測定する方法が無く、オーロラを観測する手段もありません。しかし、ホットジュピターは木星と同様に強力な磁場を持っていると考えられます。また、主星に近接しているため、太陽風に相当する恒星風の密度が非常に高く、ホットジュピターの磁場と激しく相互作用して、木星よりはるかに強力な電波を出していることが期待されます。2020年に、ホットジュピターの一つから、それらしい電波が検出されたとの報告がありました。まだ確認に至っていませんが、確認されれば太陽系外惑星の新たな観測手段となり、惑星磁気圏やオーロラ活動などについて新しいことがわかって来るかもしれません。