38. 大気はどこからやって来た?

我々は、必要不可欠なのに普段その存在を忘れている人や物を「空気の様な存在」などと言います。その存在さえ普段は忘れている大気ですが、どうやって生まれたのでしょうか?

太陽系の惑星の大気については、これまでに詳しく調べられています。それによると、木星型惑星と天王星型惑星の主成分は、水素です。原始惑星系円盤のガスの主成分は、水素なので、木星型惑星と天王星型惑星の大気は、原始惑星系円盤のガスを吸い込んだものと考えられます。一方、地球型惑星では、大気を持たない水星は別として、大気の主成分は二酸化炭素です。これは、地球型惑星は質量が軽いため円盤ガスを取り込むことができず、惑星ができた後、地中から噴出したガスが大気を形成したためと考えられています。しかし、なぜか地球の大気は窒素と酸素が主成分です。

おそらく、原始地球の大気は金星や火星と同じように二酸化炭素を主成分としていたと考えられています。しかし、二酸化炭素は海水に溶け込んでカルシウムイオンなどと結合して炭酸塩として海底に沈殿し、さらにマントル対流によって地下に潜ったと考えられます。また、生物が発生すると植物の光合成によって、二酸化炭素がさらに植物に取り込まれて地下に潜り、二酸化炭素のほとんどない大気になったと考えられています。現在ある窒素は、おそらく原始大気に含まれていたものの残りです。その後、光合成をする生物によって大量の酸素が大気中に放出され、今日の大気中の酸素を形成したと考えられています。このことを、「地球大気は酸素で汚染された」と言う研究者も居ます。しかし、我々人類にとっては、酸素で汚染された大気の方が住みやすいので、二酸化炭素を放出して原始地球の大気に戻すのはやめましょう。