26. 太陽系の常識は宇宙の非常識?

実際に太陽系外惑星が発見されるまで、私達は太陽系の8個の惑星しか知りませんでした。そして、惑星というものはそういうものだと思っていました。円に近く、同一平面上に適当な間隔で並んだ規則的な軌道、内側から小さな地球型惑星、その外側に巨大な木星型惑星、そしてさらに外側に天王星型惑星という葉巻型の構造などがその特徴と考えられました。いわば、それが常識だと考えていました。

しかし、実際に太陽系外惑星が発見される様になると、その多くはホットジュピターの様な主星に近接した巨大惑星であり、彗星の様なつぶれた楕円軌道を描くエキセントリックプラネットも発見されました。当然の成り行きとして、これまでの常識は間違っていたのではないか、という説が生まれました。太陽系は、宇宙では極めて特殊で非常識な惑星系なのかもしれない、というわけです。

しかし、見つかった惑星の大部分がホットジュピターだからと言って、宇宙ではホットジュピターが多いと思うのは、間違いです。惑星の中でも、地球の様な小さなものは発見が難しく、ホットジュピターの様な主星に近接した巨大惑星は、大きな視線速度を生じるので発見しやすいということがあります。そのため、発見しやすいホットジュピターから見つかっていったと考えられます。その後、発見数が増え、統計的な解析ができる様になると、ホットジュピターの様な惑星は、実際にはむしろ少数であると考えられる様になりました。しかし、まだ宇宙の常識がわかったわけではありません。我々の知識は宇宙のほんの一部に限られていて、しかも偏っています。