惑星の誕生

32. 300年来の論争、そして「標準モデル」

我々の住む地球の様な惑星は、どうやって生まれたのでしょうか?いわば、我々のルーツを探るこの問題は古くから論争の的でした。近代的な惑星形成の仮説は、18世紀に作られたカント・ラプラスの星雲説までさかのぼります。この理論では、太陽系は巨大なガスでできた円盤で、回転しながら冷えて固まって惑星となり、中心に集まったガスは太陽になったというものです。しかし、この理論通りに惑星ができたとすると、太陽はもっと速く自転していなくてはならず、つじつまが合わないという指摘がなされました。

その後も、様々な学説が作られました。代表的なものとしては、20世紀前半に作られた潮汐説があります。この説では、太陽のすぐそばを通過した別な恒星の潮汐力によって、太陽からガスが引き出され、冷えて固まって惑星になったというものです。しかし、太陽からガスが引き出されたとしても、高温のガスが冷えて固まることは無いことがわかり、この説も難しいことがわかりました。その他にも様々な仮説が登場しましたが、それぞれ問題点が指摘されました。

20世紀後半になると、星がどうやって生まれたかという星形成の研究が進みました。そしてそれを手掛かりに、今日コア集積モデルまたは標準モデルと呼ばれている理論が日本の林忠四郎、ソビエト連邦(当時)のサフロノフらによって作られました。