50. 宇宙のロゼッタストーン?

我々人類が、地球外生命と遭遇ないし通信が出来たとして、果たしてお互いに相手を理解することができるでしょうか?地球上の人間でさえ、様々な人種が様々な言語を使用しており、同じ民族でも古語となると現代語と大きく違っていて、文字を読むことも話すことも容易ではありません。古代文字の世界では、ナポレオンのエジプト遠征の際に発見されたロゼッタストーンが有名です。この石には、複数の古代文字で碑文が書かれていたために、これを手掛かりに古代文字の解読が進みました。宇宙のロゼッタストーンとなるものは、何かあるでしょうか?

1970年代に打ち上げられたNASAの探査機パイオニア10号および11号は、木星などの探査のあと、太陽系外へ放出される予定でした。このため、地球外生命へのメッセージとしてこれらの探査機には裸の男女や銀河系内のパルサー(電波を発する星)と地球の位置関係を示す線画を描いた金属板が取り付けられました。これは、カール・セーガンのアイデアだったと言われています。カール・セーガンは、著名な惑星科学者でSF作家としても有名です。その後打ち上げられたボイジャー1号、2号には、地球上の様子を記した画像や音などが収められたレコードが載せられました。

パイオニア10号、11号は、すでに交信が途絶えていますが、おそらく太陽圏の外に出たものと推定されています。また、ボイジャー1、2号は、まだ交信が続いており、すでに太陽圏を脱出したことが確認されています。果たして、これらの探査機が地球外生命に捕獲されて、宇宙のロゼッタストーンになる日はやってくるでしょうか?