29. 惑星ははだか?大気をまとっている?

太陽系外惑星にも、地球の様に大気や水はあるでしょうか?もしあれば、「もしかすると生物も、…」なんて妄想がわきます。しかし、その存在を発見するだけでも大変な太陽系外惑星の大気の存在を確かめるのは、考えただけでもとても大変です。しかし、こうした困難を克服して、これまでにいくつかの太陽系外惑星に大気の存在が確認されています。

物質には、その物質特有の波長の光を放出したり吸収したりする性質があります。分光器という、プリズムの様に光を波長ごとに分解する装置を使うと、その物質の特有の波長のところに、黒い線(吸収線)や明るい線(輝線)が現れます。この性質を使うわけです。しかし、太陽系外惑星からの反射光は非常に暗く、その光を分光器にかけることは、困難です。そこで考え出されたのが、トランジット(惑星が主星の手前を通過すること)を利用して、主星の光が惑星の大気を通過して生じる吸収を観測することです。

この方法を使っても、大気の存在が確認できるのは、一部の主星に近接した惑星に限られています。これまでのところ、こうした惑星に水素や二酸化炭素などの大気が存在することはわかっていますが、地球の様に窒素や酸素などの大気を持つ惑星は、確認されていません。しかし、今後観測技術が進歩すれば、様々な太陽系外惑星の大気の様子がわかって来ると期待されます。