52. 地球外生命?居るわけないだろう!

地球外生命は、本当に居るのでしょうか?生命の生命たるところは、自分自身をコピーして増殖する遺伝情報を持っているということです。環境さえ整えば、こうした生命は自然にわいて出るものなのでしょうか?無菌状態の缶詰の中に自然に微生物がわき出て、中身が腐ってしまう様なことは起きません。最初無機物だけだった原始地球で、どうやって最初の生命が生まれたのでしょうか?

これまで、実験室で原始地球の大気などを再現し、雷や宇宙線照射に見立てた現象を作って、有機物を作る実験も行われています。その結果、単純なアミノ酸程度は作れることがわかっています。アミノ酸は、我々の体を構成する重要な物質なので、ここまで来ればあと一息で生命誕生と思いたいところです。しかし、ここから遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)やデオキシリボ核酸(DNA)といった核酸を作ることは、極めて困難と思われています。

RNAやDNAは、らせん構造や2重らせん構造といった系統的な構造に組みあがった、複雑かつ精巧な巨大分子です。こうした構造体が、ランダムな化学プロセスで組みあがる確率は、宇宙全体でも有ったか無かったかというくらいです。宇宙ビッグバンの名づけ親として有名な天文学者フレッド・ホイルの言葉を借りれば、「廃品置き場を竜巻が襲って偶然にジャンボジェット機が組みあがる様なものだ。」ということになります。宇宙全体でも稀な、奇跡の様なことが太古の地球で起きてしまったのでしょうか?もし、そうであれば、我々にとって観測可能な近傍宇宙に地球外生命体が居る可能性は、まずないということになります。それとも、こうした構造体を作り上げる未知のプロセスが存在するのでしょうか?