44. 暑い寒いは何で決まっている?

生命存在の重要な条件の一つは、惑星表面の温度です。液体の水が存在できる温度でないといけないと考えられています。では、温度は何で決まっているのでしょうか?

惑星は、自分自身ではあまり熱を発生しません。惑星を温めているのは、主に主星からの放射です。主星からの放射は、一部は惑星の表面や雲で反射され、宇宙空間に逃げて行きます。しかし、残りは惑星に吸収され、主に表面付近が温められます。温められた惑星からは、熱放射によって宇宙空間に熱が逃げて行きます。逃げて行く熱は温度が高くなるほど増すので、主星からの熱と宇宙空間に逃げて行く熱がバランスをとって、惑星の温度はほぼ一定に保たれます。この温度を、平衡温度と呼びます。

平衡温度は、主星からの放射の強さと、惑星による反射・吸収の割合で決まっています。地球の場合、だいたいマイナス18度くらいです。しかし、ご存知の通り地球はそんなに寒くありません。地球の平均気温は、だいたい15度くらいです。この差はなぜ生じるのでしょうか?地球には、大気があります。太陽からの放射は、だいたい可視光から近赤外にピークがあります。このくらいの波長の光に対しては、地球大気はほぼ透明で、ほとんどそのまま表面近くまで到達します。しかし、地球からの放射は、中間赤外から遠赤外にピークがあります。この付近では、大気はかなり不透明で、熱が宇宙に逃げて行くのを妨げています。このため、実際の温度は平衡温度より高くなります。これは、温室効果と呼ばれている現象です。

温室効果がどのくらいあるのかは、大気の状態によります。太陽系外惑星の場合、温室効果がどのくらいあるかはわかりません。このため、平衡温度や適当な仮定を使った推定値が使われます。