14. まさか!宇宙でも検疫?

地球上では、人々や貨物の往来により、様々な外来生物や細菌、ウィルスなどが世界各地に持ち込まれています。このため、在来種が絶滅することや、新たな感染症が持ち込まれることが問題となっています。最近では、新型コロナウィルス感染症の世界的流行がありました。このため、港や空港では検疫が行われ、外来生物などが入るのを防いでいます。人類の宇宙探査や宇宙旅行は、他の天体の環境破壊を引き起こさないでしょうか?

1967年に打ち上げられ月に到達したサーベイヤー3号のカメラは、その後アポロ12号によって地球に持ち帰られました。しかし、持ち帰った後の検査でこのカメラには、地球上に良くいる細菌が付着していたことが判明しました。このため、探査機に付着していた細菌が月まで生き延び、月の環境を汚染した可能性が指摘されました。宇宙空間は、ほぼ真空で高エネルギー粒子が飛び交う過酷な環境で、通常は生物が長期間生き延びることは難しいですが、その後の探査機は厳重に消毒して打ち上げられることになりました。

もちろん、人間や探査機が地球に戻って来た際にも、もし居れば宇宙の外来生物を持ち込んでしまう危険性があります。このため、宇宙から持ち帰ったものは、「宇宙検疫」が行われ、厳重に管理されます。もし、地球外生命に遭遇しても、お互いのために握手はやめておきましょう。