11. 海洋にも対流圏や成層圏はあるの?

地球上の大気には地上から上空に向かって対流圏・成層圏・中間圏・熱圏が存在します。大気の対流圏では、積乱雲の姿にみられるように、地表や海面近くで温められて軽くなった空気塊が上空に移動して鉛直混合を促進します。大気の成層圏では上に温かい空気(=軽い)、下に冷たい空気(=重い)という風に重さと重力の関係に従って秩序よく分布しているので上下の混合はそれほどありません。海洋には海面から海底に向かって、混合層(海面から水深50mくらいまで)・表層(水深100mから500mくらいの範囲)・深層(水深1000mから4000mくらいの範囲)が存在します。海洋の混合層は夜間や冬季における大気からの冷却によって、海面近くの水が冷やされて重くなり、沈むことによる海水の対流混合が生じる深さです。ですから海洋の混合層は大気の対流圏と似ています。海洋の表層と深層では上に温かい(=軽い)水、下に冷たい(=重い)水のように浮力に従って秩序よく分布しているので上下の混合はそれほどありません。ですから海洋の表層と深層は大気の成層圏に似ています。