35. 魚はどこで捕れる?(その1)

大洋の真ん中では魚をはじめとする生物が少なくなっています(#34参照)。それでは魚はどのようなところで捕れるのでしょうか。実は、魚は大洋の端のところ、つまり陸に近い海に多いのです。海の真ん中は植物プランクトンが増えるための栄養分が少ないのに対して、陸に近いところでは栄養分が多くなっています。これは、陸から川などで栄養分を含んだ水が入ってくるのが一つの原因です。また、陸からの栄養分は川だけではなく、大気を通じても入ってくるといわれています。黄砂など、大陸の土が舞い上がって風で運ばれることがあります。海に入るとその一部が溶け出して、植物プランクトンにとって栄養分になるのです。特に、鉄も植物プランクトンの栄養として大切で(#37参照)、岸から遠い所の海水には少なく、大気経由の供給が重要だと考えられています。