42. 海の色は何で決まっているの?

色が名前についた海や、海の現象があります。黒潮は日本の周辺を流れている海流の名前です。水自体の色はやや青みがかった透明ですが、深い海で混じり気の少ない水を上から見ると黒っぽく見えます。陸に近い所では、水の中にプランクトンや泥などが混じっていたり、海底で光が反射するために、より白っぽく見えます。中国に行くと、黄海と呼ばれる海があります。この近くには黄河と呼ばれる川があります。この川は昔、黄海に流れ込んでおり、黄色の泥が大量に流れ込んでいたので、この名前がついています。アラビアの紅海は、この語源がはっきりしていません。きれいな水でよく起こる赤潮の一種がその由来となっているという説があります。この他に、ヨーロッパには黒海や白海と呼ばれるところがありますが、その由来もはっきりしないようです。一方、プランクトンがたくさん増えた現象を赤潮と呼ぶことは知っていると思います(#43参照)。東京湾や伊勢湾など汚れた内湾域で起こる青潮と呼ばれる現象がありますが、こちらはプランクトンの色ではありません。プランクトンなどが海底に沈んで、その有機物が分解された時に酸素が少ない状態になります。酸素の少ない海底の水で硫化物が発生し、水が風による湧昇で上がってくると、硫化物が酸化されて硫黄ができて、黄色がかった青になる状態です。このように、海の色が海の様々な状態を示すことは以前から知られていました。現在は海の色を人工衛星等で見ることによって、海を調べることに使っています。