14. なぜ太平洋の真ん中にごみが集まるの?(その1)

黒潮は九州・四国・紀伊半島・伊豆半島・房総半島の沖合を通り過ぎるとそのまま日本沿岸を離れてアメリカ・カナダに向かって流れ続けます。2011年3月に東日本大震災が起きた後に日本沿岸から流出した漁具がアメリカのシアトル周辺の海岸にたどり着いたことがニュースで取り上げらました。これは大気の偏西風に押されて海水が流れ続けることで持続しています。ペットボトルなどの海洋ごみがこの海水の流れに乗り続けると5年あまりでアメリカ沿岸に辿り着くわけですが、それは太平洋全体に漂う海洋ゴミの一部でしかありません。ハワイの近海には海洋ごみが集まり続ける場所があります。なぜこのような場所ができるのでしょうか?大気の偏西風は海面近くの海水を東向きに押す作用がありますが、北半球では地球の自転の効果によって右に曲げる力が働き、中緯度域(北緯30から40度くらい)の海水は絶えず南にずれるように運ばれるのです。一方、低緯度域(北緯10から20度くらい)では大気の貿易風によって海水は西向きに押されています。ここでも北半球では地球の自転の効果によって右に曲げられる力が働き、海面近くの海水は北にずれるように運ばれます。