3. 「しお」ってどこからきたの?

1リットルの海水の中には平均で35gの物質が溶けていて、このうちの大部分は正の電荷をもつナトリウム(ナトリウムイオン)と負の電荷をもつ塩素(塩化物イオン)です。この2つがくっつくと塩化ナトリウム(いわゆる「しお」)になるため、海水を舐めるとしょっぱく感じるのです。これは、だいたいお味噌汁の3倍くらいの濃さです。ではこのイオンはどこから来たのでしょうか?それは地球ができて間もない大昔(約46億年前)にさかのぼります。当時の地球はとっても熱く、大気は様々なガス(水蒸気、二酸化炭素、塩化水素など)でいっぱいでした。その後、地球がだんだん冷えてくると水蒸気が雨となって地表に降りそそいで海が誕生したのです。この時の雨は塩化水素がたくさん溶けていたため、塩化物イオンを含み、そして酸性の性質をもっていました。これが岩石の成分であるナトリウムを溶かして海に運んだのです。同じように、海水中の他のイオンも火山ガスと岩石の成分が起源です。ちなみに過去の数億年の間、これらのイオンの比率は一定だったと考えられています。太古の恐竜も「海水ってしょっぱいな~」と思っていたかもしれませんね。