23. 海の植物とは?

海の中にも光合成をして、動物の餌となる植物がいます。浅い海の底には、コンブやワカメのような海藻類や、海草と呼ばれる陸上の植物に近い仲間がいます。しかし、海の平均の深さは3800mですので、ほとんどの海底には光は届きません。このような海で光合成を担うのは、植物プランクトンというプランクトンです。この植物プランクトンと陸上植物とは、生物学的な分類では大きく異なっています。植物プランクトンのほとんどは単細胞生物で、原生生物と呼ばれる生物です。その中にも色々な種類がいますが、特に大切なグループとしては、珪藻けいそうるいうず鞭毛べんもう藻類そうるいなど、岸の近くで多く、比較的大型(といってもほとんどは1mm以下)の仲間がいます。これらは顕微鏡でなら比較的簡単に見ることができます。また原生生物ではなく、核を持たない原核生物と呼ばれる生物である細菌類(バクテリア)の中にも、植物プランクトンがいます。海の砂漠(#34参照)と呼ばれる栄養分の少ない外洋で多い、らんそうるいというグループは、原核生物で、太古の昔からいる生物として知られています。