15. なぜ太平洋の真ん中にごみが集まるの?(その2)

次に中緯度域と低緯度域の水温の違いに着目しましょう。中緯度域の海面近くの海水は冷たく(すなわち密度が大きく)、低緯度域の海面近くの海水は温かく(すなわち密度が小さく)なっています。この重さの違いから、中緯度域の海水は南に運ばれるにしたがって少しずつ低緯度域の海水の下に沈み込むのです。これをサブダクションといいます。このようにして中緯度出身の海水は水深500mあたりまで沈み込むことになるのですが、ペットボトルなどの海洋ゴミは浮力があるので海面に残り続けハワイ近海で行き場を失い集積され続けています。海面近くでは波に揉まれたプラスチックごみが砕けて大きさ数ミリ程度の粒子群を形成していることが、近年、国際的な問題になっています。