28. 海の中の二酸化炭素も増えているの?

地球温暖化は、18世紀後半にはじまった産業革命以降、私たち人類が化石燃料をたくさん消費して温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)を排出し、大気のCO2濃度を急上昇させたことが主な原因だと考えられています。このCO2は水に溶けやすく、海水中では3つの形(溶存炭酸ガス、重炭酸イオン、炭酸イオン)に分かれて存在しています。そして、表層海水の中のこれら3つの合計量もまた近年増加しているのです。これは、私たちが排出した化石燃料起源のCO2量の約1/4を海が吸収したからです。もし海にこの働きがなかった場合、大気CO2濃度は今よりも高くなっていたはずです。ただ、多くのCO2が海に溶けた結果、海水中の水素イオンと溶存炭酸ガス・重炭酸イオンが増える一方で、 炭酸イオンが減ってしまう現象、すなわち「海洋酸性化」が近年観測されるようになりました。この酸性化が進むと、多くの海洋生物に悪影響があると心配されています(#49参照)。