● どうやったら海洋の研究者になれるの?

どうやったら海洋の研究者になれるのでしょうか?まずどんな大学へ行ったらよいのでしょう。実は世界各国の大学には海洋学部がたくさんあります。残念ながら日本には海洋学部はほとんどありません。でも日本では海洋大学と呼ばれる国立大学が一つ、水産学部と呼ばれる学部が三つの国立大学に存在します。また今は名前が変わっている大学も多いのですが、農学部系の水産学科もいくつかあります。しかし、水産だけが海洋学ではありませんし、水産の中でも本当に海洋学と呼ばれる分野はごく一部です。海洋学は物理・化学・生物など様々な分野からの見方があります。理学部や工学部の中で、海洋について扱っている大学があります。物理系であれば地球物理学科と呼ばれるところで海洋を扱っている大学も多くあります。いろいろな大学で海洋を扱っている学部学科がありますので、よく調べてみてください。このような大学に行っていなくても、大学院で海洋に関する専門的な勉強をすることもできます。その場合もいろいろな大学院を調べてみてください。大学院では、博士前期課程(修士)と博士後期課程(博士)に分かれており、後期課程はより専門的な教育を受けて博士論文を書くことになります。思いきって海外の大学や大学院に飛びだしてみるのも良いと思います。さて、それでは海洋のことを勉強して、どんなところに就職できるのでしょうか。本当に研究者になりたい人は、大学での就職を目指すべきです。研究開発法人である海洋研究開発機構や水産研究教育機構なども研究者として専門が生かせる職業です。気象庁のような国家公務員や水産試験場のような地方公務員でも専門が生かせると思います。一方、民間企業でも、環境アセスメントや調査関係の会社や、測器の開発や輸入を行っている会社があります。また、今は高校までは、ほとんど海洋について学ぶ機会がないので、ぜひ海洋のことを勉強した人が教員になって、学生さんたちに海洋のことを教えてもらうとよいと思っています。