11. 雨量の世界記録は?

ひとくちに雨量といっても、「3時間雨量」「24時間雨量」など、いろいろあります。これらのさまざまな時間スケールの最大雨量について、木口・沖*が2010年に水文・水資源学会誌 第23巻 第3号で発表した学術論文「世界・日本における雨量極値記録」の中で、再評価してまとめています。たとえば、最大60分降水量については、1975年7月3日に、中国の内モンゴル自治区で401mm降ったとしています。観測された3時間降水量の最大値は、アメリカのペンシルバニア州で1942年7月18日に雷雨と前線によってもたらされた724mmです。24時間雨量の最大値は、インド洋レユニオン島の熱帯低気圧に伴う1825mmです。ただし、降水は局地性が高い上に、各地点で観測期間がさまざまです。しかも、場所や時代によって観測間隔も異なることから、解釈には注意が必要で、木口・沖も、時空間スケールを考慮した豪雨システムに着目すべきであるとしています。

*参考文献 木口 雅司、沖 大幹、世界・日本における雨量極値記録.
   水文・水資源学会誌、23(3)、231-247、2010年.