26. 台風にはなぜ眼ができるの?

台風のまわりを反時計回り円周方向に流れる風は、地表面近くでは少しずつ中心に近づいていきます。それとともに円周方向の風速は大きくなり、その風にはたらく遠心力が大きくなります。この遠心力は中心に近づくと急速に大きくなり、空気はある半径の位置から中心に近づくことができなくなります。行き場をなくした空気は、台風の中心を取り巻くように上昇します。この上昇気流がドーナツ状に雲を形成します。この雲は壁のようにそそり立つので、眼の壁雲と呼ばれます。その内側ではほとんど風が吹いておらず、その領域を台風の眼と呼びます。さらに発達する台風では眼のなかでは、ゆるやかな下降気流が起こります。下降気流は空気を暖める性質があるので、雲は蒸発してしまい、眼の中はほとんど雲がなくなります。このようにして台風の中心には眼が形成されます。