28. 台風はどうやって移動するの?

小川の流れをよく見ていると、その中にできた渦が川の流れによって、移動していく様子が見られます。台風の移動も基本的にはこれと同じで、大気中の大きな流れによって流されることで台風は移動します。大きな流れの主なものは、太平洋高気圧の周辺を流れる時計回りの風で、低緯度では東風にのって西に移動し、太平洋高気圧の西端で北向きに転向し、その後、偏西風に乗って東に移動します。特別な例として2016年は太平洋高気圧が本州の東に退いていたため、3個の台風が北海道に太平洋側から上陸するということが起こりました。さらにときどき太平洋高気圧と大陸側の高気圧の間にはさまれ、台風を流す風が弱くなり、ほとんど停滞する台風があります。2018年の台風チャーミー(第24号)は沖縄本島の南で4~5日間も停滞しました。このように台風の移動は大きな大気の流れで移動するのですが、実は台風自身でも少し移動することができます。また台風が周辺の高気圧の強さに影響することもあり、さらに大規模な流れも時間とともに変わりますので、台風の進路予測は難しいものになります。