25. 台風の強度はどうやって測る?

台風は海上で発生するので、観測点がほとんどありません。また台風周辺は暴風によって海は激しく荒れていて、船で観測することは不可能です。1987年までは米軍が飛行機で直接台風を観測していたので、台風の中心気圧や最大地上風速などの強度を知ることができました。しかし、それ以降は直接の観測がありません。それでは台風の強度はどのようにしてわかるのでしょうか?現在は海上にある台風の強度を気象衛星から推定しています。気象衛星の発達により、台風は発達とともに特徴的な雲パターンを示すことがわかってきました。この雲パターンと中心気圧や最大地上風速とを関係づけて、台風の強度を推定します。これはドボラック法と呼ばれ、日本も米国もこの方法によって台風の強度を推定しています。近年は気象衛星のさまざまな観測装置も利用され、その精度が改善されていますが、それでも非常に強い台風になると誤差が大きくなります。強い台風では10ヘクトパスカルぐらいの誤差があると思ってよいでしょう。沖縄の南西諸島や日本本土に近づいた台風については、近年、レーダー観測から中心気圧や最大地上風速を推定するという方法も開発されつつあります。しかし台風は陸から遠くで発生・発達するので、その強度を正確に知るためにはやはり航空機を用いた直接観測が必要となります。

出典:気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku/weather_obs.html