17. 人工降雨とは?

自然の雲にヨウ化銀(Agl)やドライアイスなどの物質を散布することをシーデイング(種まき)と呼び、シーディングにより自然の雲から雨や雪を降らせることを人工降雨・人工降雪・降水調節などと呼びます。地上気温が低く雪やあられの形で降ってくる場合を便宜的に人工降雪と呼び、地上に雨が降る人工降雨と区別することもあります。より広義に霧・雲・降水等を人為的に変えることを「気象改変」または「気象調節」と呼びますが、人工降雨は自然の状態を改変しようとする人間の試みの最も代表的なものです。気象改変には、増雨・増雪を目的としたいわゆる人工降雨・降雪のほかに、農作物や都市部の建築物・自動車等に大きな被害を与える雹の粒径を小さくすることを狙った降雹抑制、霧による空港の滑走路や高速道路の視程障害を改善することを狙った霧消し、集中豪雨・豪雪の緩和、台風抑制、などがあげられます。もっと時空間的に大きなスケールでは、炭酸ガスの増加に伴う地球温暖化を抑制するためのジオエンジニアリング(意図的気候改変)の議論も最近にわかに注目を集めています。