54. 気象衛星ひまわりから何がわかる?

気象衛星「ひまわり」は高度約36000kmから地球の雲の様子を観測する衛星です。「ひまわり」は地球の中心に対して1日かけて1周しているため、あたかも日本の上空に止まっているように見えるため静止衛星と呼ばれています。最新の「ひまわり8号」には、可視光と赤外線を観測する16種類のカメラが搭載されています。可視光カメラでは、私たちが衛星の場所から地球を見たときの様子を捉えることができます。これは、太陽光が地球に反射した光を観測するものですから、夜間の観測では真っ暗になります。赤外線カメラは、物質(地球、人、雲など)から放射される赤外線を観測することになりますから、夜間でも観測できます。赤外線の強さは温度に依存しますので、観測した赤外線の強さを温度に換算して示すことが多いです。高いところに雲がある場合には冷たい温度として表されます。

雨をもたらす雲は、高さ方向に発達していることが多いため、低い温度を示す雲は雨雲が多いですが、一方で高いところにのみ存在する雲もありますので、必ずしも低い温度を示す雲が雨をもたらすわけではありません。

<左上図>提供:気象庁
現在運用中の静止気象衛星 https://www.jma-net.go.jp/sat/satellite/satellite.html
<下図>提供:情報通信研究機構(NICT)
ひまわり8号リアルタイムWebより2018年9月4日に日本に上陸した台風21号をとらえた映像