15. 雲が並んで大雨を降らす線状降水帯とは?

線状降水帯は積乱雲が帯状に並び、ほぼ同じ場所で大雨が降り続くことで、しばしば豪雨災害を引き起こします。なぜ、このように積乱雲は帯状に並ぶのでしょうか?風が高さ方向に同じ向きで、ほぼ一定の強さで吹いている場合、下層の上昇流によって積乱雲が発生し発達しても、降水として地上へ水滴が落ちるときに発生する下降流によって積乱雲が消滅してしまいます。しかし、例えば風が上空ほど強い場合、上昇流によって積乱雲が発生した後、上空の強い風に流されるため、降水によって下降流が発生している地点は、積乱雲が発生した地点と異なります。そのため、ほぼ同じ場所で次々と積乱雲が発生することができます。このような線状降水帯はバックビルディング型といわれ、典型的な線状降水帯の1つです。線状降水帯が発生するための条件として、風が鉛直方向に変化していること以外にも、暖かく湿った空気が大気下層に流れ込み続けていること、対流が起こりやすい大気の成層であることなどがあげられます。