29. 台風には名前がついている?

すべての台風には、国際的に通じる名前(国際名)がついています。2017年に東海地方に大規模停電をもたらした第21号はラン、2018年に関西国際空港や大阪に大きな被害をもたらした第21号はチェービーという名前です。台風に名前がついているわけは、これらの例にみられるように同じ番号の台風が大きな災害をもたらすことがあり、番号で呼んでいると、どの台風だったか混乱しやすくなるからです。また、名前を付けることで、災害をもたらした台風の記憶を残しやすくなります。さらに台風何号という番号は日本のなかだけで通じるいい方で、たとえば米国の気象機関が数える台風の数と日本の気象庁の台風の数は異なります。そのため日本でいう台風21号は、米国では台風25号だったりして混乱します。台風に名前を付けることでどの国からも同じ台風であることがわかります。以前は台風には人の名前が付けられていましたが、2000年からは東アジア地域などの国の加盟する組織である台風委員会が各国から出された名前を台風に付けることにしました。現在、140の名前があがっていて、1番の「ダムレイ」(カンボジアの提案で象の意味)から順番に使われ、140番まで行くとまた1番に戻ります。このため台風は平均で1年に25~26個ほど発生するので、5~6年ごとに同じ名前が台風に付けられます。ただ、2009年に台湾に大災害をもたらしたモラコットのような台風の名前は削除されることがあります。日本からは、コイヌ、ヤギ、ウサギ、カジキ、コンパス、トカゲなどあまり有名ではない星座の名前が提案されています。