33. 9月26日は台風が上陸する日?

死者・行方不明者5098人という戦後最大の災害を出した伊勢湾台風が、和歌山県潮岬の西に上陸したのは1959年9月26日でした。その前年の1958年には狩野川台風が、9月26日の24時ごろ神奈川県に上陸しました。この台風による死者・行方不明者は1269人でした。さらに年代をさかのぼって1954年には、函館と青森を結んでいた青函連絡船の洞爺丸をはじめとする多くの青函連絡船を遭難させた洞爺丸台風が、9月26日に鹿児島県の大隅半島に上陸しています。この台風による死者・行方不明者は1761人で、そのうちの1139人が洞爺丸の乗員乗客でした。1953年の死者・行方不明者478人を出した台風13号は9月25日、1966年の24号に続いて26号は9月25日に静岡県御前崎に上陸(死者・行方不明者317)などの例もあります。9月26日は台風の特異日とよばれることがありますが、この日そのものに特別な大気の状態があるわけではありません。1951~2018年の68年間には、201個の台風が日本に上陸しています。そのうちの71個が8月に、65個が9月に上陸しています。つまり上陸する台風の7割弱がこのふた月に集中します。二百十日(9月1日ごろ)や二百二十日(9月10日ごろ)という雑節があるように、9月は台風災害の多い月で、26日はたまたま大災害をもたらした台風が上陸した日だったのです。大切なことは、9月は台風災害の多い時期なので、特に台風に注意が必要だということです。